Maplatファミリー、初めての月次リリース(2026年10月)を公開

10月5日に、Maplatファミリーの2026年10月リリースを公開しました。

8月に「Maplatファミリー、ついに1.0.0を公開」とお知らせしてから、最初の更新です。

1.0.0からは、毎月決まった日に新しい版を出すことにしました。リリース日は毎月の第一月曜です。その1週間前の月曜に変更の受け付けを締め切り、RC版(正式版の候補)を公開して、1週間かけて動作を確認します。今回の10月リリースは、9月28日に締め切り、10月5日に公開しました。

次の11月リリースは11月2日の予定で、10月26日に締め切ります。

npmで公開したライブラリ

機能の追加や、変換結果が変わる変更を含むものは1.1.0に、不具合の修正だけのものは1.0.1にしました。

今回から、npmへの公開はGitHub Actionsから行い、どのコミットからビルドしたかを示す来歴情報(provenance)を付けています。

古地図の位置合わせを、三角形ごとの素直な変換に戻しました

今回いちばん大きな変更は、古地図と現代の地図の座標を変換する部分です。

Maplatは、古地図と現代の地図で対応する点を結んで三角形の網を作り、三角形ごとに位置を変換しています。これまでは、三角形の中で重みを付けた補間(weight_buffer)をしていましたが、調べてみると、この補間がかえって変換の質を下げていることが分かりました。

そこで補間をやめ、三角形の中は単純なアフィン変換で変換するようにしました。MaplatTransform、MaplatTin、MaplatCore、Maplatの4つにまたがる変更です。

この変更で、古地図の上に表示する位置が、これまでとわずかに変わります。不具合の修正という位置付けですが、利用者から見える結果が変わるため、版は1.1.0にしました。

MaplatTinが書き出す変換データの形式の版は、2.00704になります。古い形式のデータもそのまま読めます。

Maplat・MaplatCoreの修正

Maplatでは、地図切り替えのスワイパーが、地図が2〜4枚のときにループしなくなっていた不具合を直しました。カードをクリックすると、そのカードが中央へ1枚分スライドします。URLに保存した状態から開き直したときに、スワイパーの位置が地図と合わない件も直しています。

POI一覧の表示では、名前やアイコンを無害化し、リンク先をhttpとhttpsに限るようにしました。セキュリティ上の修正です。

MaplatCoreでは、GPSの現在地やPOIを、その地点を含む地図の上に描くようにしました。紙の外にある地図に描かれることはなくなり、地図の範囲外ではGPSの現在地のマーカーを消します。このために、MaplatTransformに、地点がどの地図の範囲に入るかを調べる関数(merc2XyVisibleLayers)を足しました。

ほかに、POIの追加と削除を繰り返すと表示が崩れる件、タイルの読み込みが途中で詰まる件、非表示の領域で地図を初期化すると視点が崩れる件などを直しています。

周辺ライブラリの更新

Weiwudiには、地図ごとのキャッシュ容量の上限(cacheMaxBytes)を足しました。上限を超えると、使われていない古いタイルから消します。初めて訪れたページでも、再読み込みなしでService Worker経由のタイル取得が効くようにしました。

Quyuanは、Chuciに依存しない入口(@c4h/quyuan/template)を足しました。Chuciは、必要なときだけ入れる任意の依存にしています。

Chuciは不具合の修正です。swiper 12でスライドの矢印が二重に表示される件と、サムネイル付きの表示でサムネイルをクリックするたびにエラーが出る件を直しました。

Harumiは、デモのオフライン動作が効いていなかった不具合を直しました。

Nagarjunaは、公開している機能(API)は1.0.0と同じです。今回、新しいIME(文字入力)の画面のプレビューを、デモのnaga.htmlに置きました。まだ試作の段階で、スマートフォンでの使い勝手などを詰めてから、改めて公開する予定です。

石造文化財アイコンのChokeiは、npmには公開せず、GitHubで2.0.2を公開しました。READMEを英語と日本語の2本立てにし、アイコンの画像を作るツールを新しくしています。

MaplatEditor 1.1.0

MaplatEditor 1.1.0はGitHub Releasesで公開しています。

1.0.0をお使いの方は、1.1.0のインストーラーで入れ直してください。

Windowsでは、スマートアプリコントロールを有効にしたパソコンで、MaplatEditorが起動できないことがありました。インストーラーにしか電子署名をしておらず、アプリ本体や同梱のファイルに署名が無かったためです。1.1.0では、配布するすべての実行ファイルとDLLに署名しました。スマートアプリコントロールを有効にしたパソコンで、インストールから起動、アンインストールまでできることを確かめています。

そのほか、次のような修正を入れました。

大きなアプリの書き出しを、全体をメモリに載せずに少しずつ書き出す方式に変えました。4GBを超えるZIP(ZIP64)にも対応しています。

パソコンに保存した地図のタイルが、環境によって表示されないことがあった件を直しました。1.0.0で作った保存前の下書きも、そのまま表示できます。

アプリの画面が外部のページへ移動したり、意図しない新しいウィンドウを開いたりしないようにしました。セキュリティ上の修正です。

書き出したアプリに同梱するビューアは、今回のMaplat 1.1.0に更新しています。

インストーラーは、Windows(x64・arm64)、macOS(Intel・Apple Silicon)、Linux(x86_64・arm64)を用意しています。

11月以降も、毎月第一月曜に更新をお届けします。不具合やご要望は、各リポジトリのGitHub Issuesにお寄せください。